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詳細設定(主要人物1・改訂版)

自己満小説の自分用メモを兼ねた詳細設定。主要人物1がごちゃついて来たので整理を兼ねて。改訂版はほぼ鼎メインでseason2中心。



・暁晴斗(あかつき はると)


ひょんなことからゼルフェノア隊員になってしまった高校生。season2では高3に。

鼎のことが気になっていたのだが、その正体はかつての歳の離れた幼なじみ・都筑悠真だった。晴斗は悠真に弟のように可愛がられていた過去がある。

死んだと思っていた悠真は、名前を変えて生きていたことを知る。(season1)


晴斗の父親・陽一は昔、ゼルフェノア隊員→隊長をしていた。
その父親経由で鼎の事件後を知る。


season2では彼の出番が大幅に減ったが、呼ばれればすぐに来るように。便利屋かっ!明るい性格で身体能力が高い。

組織の馴染みの仲間とはそつなくやれているのは変わらず。
巻き込まれ体質でツッコミ担当なのも変わってない。





・紀柳院鼎(きりゅういん かなえ)


ゼルフェノア本部在籍。
season2で司令補佐になる。通称「仮面の司令補佐」。


出で立ちが特徴的で顔の大火傷の跡を隠すため、白いベネチアンマスクを着けている。いわゆる仮面の女。

年齢はseason2時点で29歳であることが、番外編の異界時空生き残りゲーム編で判明した。
本名は都筑悠真。ある事件を機に名前を「紀柳院鼎」に変えている。

冷静沈着な性格で冷淡な話し方をするが、本当は仲間思いな一面もある。不器用。
事件前は話し方が全然違っていた。season1では笑うことが出来なかったが、season2では少しだけ笑うことが出来るようになっている。


season1では制限時間はあるものの戦闘出来てたのだが、season1終盤からseason2の間で戦闘ダメージの蓄積と火傷のダメージで身体に限界が来てしまう。


彼女は数回、手術を受けているがそのうち2回は蓄積した戦闘のダメージと火傷のダメージによる身体の限界によって生きるか死ぬかの瀬戸際まで来ていたが、難手術(2回目)は成功→戦闘は出来ないが日常生活レベルの運動なら可能なくらいには回復する。

1回目はseason1から2の間、2回目はseason2で行われた。



ざっくりとした鼎の時系列の一部。一部ごっちゃ。
season1、1話以前とseason2時点。


13年前…怪人による放火事件で両親を失い、彼女は生存するも全身火傷に加えて顔は大火傷を負う。

10年前…退院後、身寄りがなく居場所を失った彼女はゼルフェノア直属施設・陽明館で数年間過ごすことに。

9年前…陽明館で心を閉ざし、引きこもりがちで他の入居者と話さない鼎に話しかけた人が現れる。それが瀬戸口。閉ざされた心は瀬戸口との会話で少しずつ開かれる。

8年前…ゼルフェノア直属組織・ノアからカウンセラーの彩音が陽明館の鼎を訪ねに来る。彩音に抑えていた感情をぶちまけた鼎は後に彩音と親交を深め→親友へと発展する。

6年前…ある場所で鼎は戦闘中のゼルフェノア隊員を目撃。その中には彩音の姿が。彩音は既にノアを辞め、ゼルフェノア隊員になっていた。
この戦闘で彩音は負傷。鼎は衝動的に彼女の銃を借り、怪人に攻撃をする。

約6年前…鼎はゼルフェノア隊員になることを決意。試験を受け、合格。

約5年前…ゼルフェノアでは異例の仮面の隊員が入隊。直属の先輩は御堂。彼はこの時点ではまだ分隊長ではない。
任命式で鼎は緊張と酸欠で倒れてしまう。→彩音と御堂に介抱される。

約5年〜2年前…数々のトラブルやアクシデントに見舞われたものの、宇崎のアシストやサポートで隊員として確実に成長していく。

戦闘時間に制限をつけられたのはこのあたり。
制限時間は身体に負荷が異常にかかる鼎を考慮してのもので、司令の宇崎が付けた。

彼女が復讐目的で組織に入ったことを知った御堂はなんとか説得し、復讐を辞めさせる。(ここらへんでイーディスと何かしらあったらしい)

約1年前…高校の体育館に出た怪人相手に彼女は挑むが、発作に見舞われ戦闘不能に。晴斗が鼎のブレードを借り、怪人を撃破したことで2人は互いに知らないまま再会。

晴斗、なんだかんだあってゼルフェノアに入隊する。そこで鼎の正体が悠真だと知り、衝撃を受ける。



鼎は何度も任務で死にかけてるが、season2では本当に死にかけ→天才外科医・加賀屋敷の手術を2回経てなんとか日常生活レベルまでには回復する。でも戦闘は出来ない身体は変わらず。
彼女が司令補佐になったのはここらへん。

その最中(season1終盤あたりから)に御堂としれっと両思いになり、付き合い始める。

司令補佐になったことで、世間に仮面の理由を公表する。

司令補佐の重圧に圧されそうになったりするが、御堂達仲間達のおかげで自分なりの司令補佐像を探し始める。



鼎が閉所恐怖症になった要因はある任務が発端。それ以来、電車に乗れなくなってしまう。飛行機はギリギリ乗れるが、組織のものじゃないと乗れない。

精神的に不安定になったり、パニックになると手が震える傾向にある。
親友の彩音は鼎を落ち着かせる役目が多く、必要な存在。彩音は親友だが保護者的な存在。


普段は滅多に感情を出さないが、泣くときは思いっきり泣く。
悔しげにする時は拳を強く握る癖がある。

信頼出来る仲間を得たことで、以前よりも感情を露にするようになった。
彩音と御堂の影響はかなり受けている。晴斗に対しては昔とあまり変わらない接し方をしている。名前や姿は変わっても、地は一緒だからなのか。


以前までは「仮面の司令補佐」という通称や街中で注目されるのを極端に嫌っていたのだが(人嫌いだった)、今は吹っ切れたようで堂々としている。

彼女の中で明らかに変化が起きている模様。


ちなみに怒るとめちゃめちゃ怖い。滅多に怒らないが、とにかく怒ると仮面補正もあって怖いとか。

彼女の仮面は表情がないはずなのだが、仮面生活の長い彼女からしたら仮面は身体の一部。
時折不思議と表情豊かに見える時があるとかないとか。


司令補佐になって以降はゼノク隊員の二階堂と頻繁に連絡したり、特殊請負人(怪人専門執行人)の憐鶴(れんかく)とも連携するなど、彼女自体が連携し始めている。


一般市民からしたら謎が多い司令補佐なため、仮面の下、その正体を突き止めようとする輩が一定数いるのは確か。彼女からしたら敵のようなもん。

地味に鼎の周りは敵が多い。御堂達は彼女を守る役目も担っている。
司令の宇崎は敵の多い鼎に危害が及ぶ可能性を考慮し、用心棒をつけようか悩んでいる。


白い仮面という特徴的な風貌なため、私服姿でも目立ってしまうのが悩み。
彼女の顔の大火傷は目にもダメージが及んでおり、人前じゃなくてもだいたい仮面姿。


食事の時は専用の食事用マスクを着用しているため、食べ物によっては一口大に小さくして貰ったりカットして貰う必要がある。

麺類は啜れないし、ハンバーガーはがぶりつけない。マスクの開口部が小さいがゆえの悩み。外食時はちょっと困る。


ゼルフェノアの白い制服の上に司令用の薄手の黒いコートをよく着ている。(外出時)
手の火傷の跡を隠すため、薄手の黒い手袋をはいている。

制服のデザインは隊員とは微妙に違っている。制服&コート姿は白黒ツートーン。


season2時点で身体の火傷の跡はだいぶ目立たなくなってきているが、本人はまだ抵抗がある模様。
そのせいか、肌の露出は極端に少ない。火傷が最もひどいのは顔なため、彼女からしたら仮面は必須アイテム。ないと人前には到底出られない。


詳細設定(その他の人物6)

自己満小説の自分用メモを兼ねた詳細設定。その他の人物6はseason3(仮)の敵になりそうな方々も含まれております。



・御堂柚希(みどう ゆずき)


御堂和希の妹。就活で東京へ来た時に蔦沼長官にスカウトされ→組織公認のゼノクスーツ着用者向けの女性ファッション雑誌のモデルとなる。

特務機関ゼルフェノアに間接的に関わることが出来て、ご満悦な様子。
たまに本部に雑誌カメラマンの錦裏と共に撮影で来るように。


明るく快活でミーハー気質。本部で鼎と初めて会った時は思わず感激。
なぜか長官については知らなかった。

御堂のことは「兄貴」呼び。年齢は20歳くらい。


ゼルフェノアに何らかの形で関わりたかったらしく、思わぬ形で夢が叶ってしまった人。
先輩モデルの雅とはプライベートでも仲良し。



・辻内 雅(つじうち みやび)


ゼノクスーツ着用者向け雑誌の専属モデル。柚希の先輩。
面倒見のいい性格で、お姉さんタイプ。

彼女も蔦沼長官にスカウトされ、間接的にゼルフェノアに関わることに。
ゼノクスーツの製品カタログモデルも兼任している。


数年前に怪人被害に遭い、ゼノクで怪人由来の後遺症治療を受けていた経緯がある。治療を終えた現在も、ゼノクスーツは日常的に着ている。
人前では基本的にゼノクスーツ姿。


素顔を滅多に見せないため、謎が多い。
ゼノクスーツ着用者の間では人気が高いモデルらしく、ゼノクのインフルエンサーの七美とも知り合い。

柚希にスーツについてのあれこれなど、いろはを教えている。



・イーディス


鼎が復讐代行時代、同業者として近づいた女性。
名前は復讐稼業での通称。本名は不明。

ゴスパンク風の格好をしているのが特徴。復讐代行業をしているにもかかわらず、顔は一切隠さない。
黒いロングヘアーも特徴的でお人形さんのようにも見える、ミステリアスな人。


どこか妖艶でゼルフェノア潰しを目論んでいる…らしい。番外編で鼎を拉致した張本人。

鼎と関わりがあったせいか、彼女の弱点を熟知している。敵になるとかなり厄介な存在。
鼎が閉所恐怖症だと知っておきながら、薄暗く簡単には出られないような部屋に監禁するなど手段は問わない残忍さがある。


相手を苦しむ姿を見るのが好きらしく、鼎を監禁した時はモニタリングしながら笑っていた。そんな女。

根深いタイプらしく、一方的に鼎に恨みがある?
「ふふふ」とよく含み笑いをし、楽しんでいる。


※イーディスのイメージは仮面ライダーギーツに出てくるベロバにかなり近いです。



・Dr.グレア


イーディスの仲間のマッドサイエンティスト。名前は通称で本名は不明。
出で立ちは見た目からしてかなり怪しく、片眼鏡に紳士風のインナーに白衣姿。


イーディスと共に某所のアジトにある地下研究室で、何やら怪しい研究や実験をしている模様。
機械生命体(怪人)を生み出したらしいが…。

番外編では機械生命体のプロトタイプを完成させている。
一人称は「私」。よく高笑いする。



イーディスとグレアはめちゃくちゃわかりやすいキャラかもしれません。悪役的な意味で。


番外編 地下研究所

鼎がイーディスら2人に拉致された事件から数日後。
本部の警備は強化されていた。


家感覚で来た錦裏は、本部の警備が強化されていたことが気になった。この日は柚希も一緒。


「先輩と柚希、よく来れるよなー。こんな状況で」
御堂は呟く。

「あれ?紀柳院さんは?」
柚希はキョロキョロしてる。
「数日前のゴタゴタで、ちょっと精神的に不安定になっちまってな…。姿を見かけてもそっとしておいてくれ。お願いだ」


「何があったかわからないが、わかったよ。警備が強化されてるあたり、何かに彼女は巻き込まれてなんだかんだ解決したってことかな…」
「解決なんてしてないですよ。…ってか、先輩と柚希は何しに来たんですか…」


「撮影とインタビューだよ。予定では今日、司令補佐にインタビューする予定だったんだが見送りだな。
こんな状況じゃあしばらく本部で撮影も難しそうだ。今日は撮るけどね」

「なんで本部にこだわるんだよ。別な場所、いくらでもあるだろうが」


「あの雑誌はゼノク公認って言っただろ。=ゼルフェノア公認だから取材協力として、モデルの撮影場所に組織の施設のどこかを使わないとならんわけ。
そういう制約があるわけよ」

「先輩も大変なんだな…」



某所のとあるアジト。…の地下研究所。あの廃ビルとは違う場所。


「グレア〜、例の怪人完成したの〜?」

イーディスはDr.グレアに馴れ馴れしく聞いてる。地下研究所はかなり怪しい雰囲気。


マッドサイエンティストのDr.グレアは白衣を翻した。右腕に何かを装着している。


「機械生命体のプロトタイプ、完成したよ…」
グレアは不敵な笑みを浮かべる。

「プロトタイプ出来たんだ〜」
イーディスは楽しそう。


「実用化までまだ少しかかるが、プロトタイプでも実戦可能だからね。私の自信作だ!!ハハハ!!」
グレアは高笑い。いかにもマッドサイエンティストらしい。


「実用化したらゼルフェノアは終わりよ♪
私は彼女の弱みを握っているわけだし?司令補佐を失墜させようと思ったけど、ここはベタに怪人ぶつけた方がいいわよね」

「紀柳院鼎の正体について探ってる一般市民は一定数いるから、そいつらに任せておけばいいだろう。
…ま、いつかは暴かれるとは思うね。紀柳院鼎の正体は。『仮面の司令補佐』の仮面を失ったらあいつは終わりだ」


「グレアもゼルフェノア潰しに加わるよね?」
「そりゃあ、もう。喜んで」


地下研究所と機械生命体。

彼らは鼎とゼルフェノアをじわじわと潰そうとしている。
イーディスはかつて鼎の復讐代行の同業者。鼎の仮面の理由も、なぜ身体に負荷がかかりやすいか、なぜ戦えないか、彼女の弱点も知っていた。


「またあいつを閉じ込めるぅ?鼎は暗くて閉ざされた空間がダメなのよね。閉鎖空間が苦手なのよ。
あいつ…またパニクるんじゃないの?」
「電車に乗れないとは薄々聞いてたが、何かしらトラウマがあるのかもな…。で、わざわざ傷を抉るのかい」

「手段は問わないわよ。機械生命体が完成形になったら投入するよ…。わかっているよね、グレア」

「怖いわ、あんた…」



本部では雅も柚希に合流した。


「はえー、予定変えたからって雅さん呼んだのか」
御堂は本部に入ってきた、ゼノクスーツ姿の女性を見ながら錦裏に聞く。

「こういうことはよくあるよ。雅、ごめんね」
「今日は予定ありませんでしたから」


「素朴な疑問なんだけどよ…。こんだけセキュリティ強化してんのに、なんでゼノクスーツ姿の雅さんはあっさりと本部に入れたんだ?
そののっぺらマスク、顔全体覆ってるから判別難しくない?」

御堂の疑問に雅が答えた。


「ゼノクスーツ着用者向けのパスがあるんですよ。スーツは体や顔全体を覆ってる関係で顔認証も指紋認証も出来ないので、これを使うんです。パスはカードキーみたいなものですね。スキャンするんです。
ゼノクスーツ越しでも顔認証出来る機械もあるところにはありますよ。ゼノクはありますし」



本部・救護所。鼎は彩音とずっと話をしていた。


「鼎相当傷ついてるね…。動く気力、ないんでしょう?寝ていたら」
「…うん。まだ引き摺ってる……」

「それにしてもそいつら、新たな敵になりそうな予感がするのよね。明らかに鼎を利用しようとしていたし、危ないよ」
「………イーディスは…私の弱点を知っている。
だからあの時、私を閉じ込めたんだろう。閉所恐怖症だとわからなければ、あんな場所にわざわざ閉じ込めない…」


鼎の声が震えている。相当怖かったんだろう。
しかし、なぜ鼎の傷を抉るようなことをするんだ?


「あの2人は怪人じゃない、人間だ。あのマッドサイエンティスト…嫌な予感しかしない…。何かを作っていそうで」



柚希と雅は順調に撮影を受けていた。

「はい、お疲れ様でした〜。柚希はそのまま帰るの?ゼノクスーツ姿で」
錦裏が聞く。
「雅さんがせっかく来たので…。一緒に帰りますよ。このままの姿で。服は着替えますが」


御堂は感じた。

柚希のやつ、ビジネスゼノクスーツモデルだが慣れすぎだろ…。
よくあんな、のっぺらマスクの見た目があれなスーツを着れるよな…。


錦裏から聞いたが、雑誌で防火防水仕様のゼノクスーツ着用でキャンプをする企画も検討してるとか。
防火防水仕様のゼノクスーツって、あるんだ…。じゃないとアクティビティなんて無理だろ。スーツカタログを見せてもらったが、スポーツ用や夏用まであるなんて知らなかった。

スポーツ用のゼノクスーツはランニングしている人が着てるのをたまに見かけるから、なんとなく知ってた。デザインやカラーリングがスタイリッシュなのがスポーツ用らしい。
スポーツ用はスポーツ中継でたまに選手が着ているのを見る。陸上ではかなり浸透してるっぽい。球技は向いてないとか。
水泳用もあるとか聞いたな。あれで溺れないのが不思議だ。スーツがどういう仕組みなのか、謎すぎるが…。



鼎は安心したのか、救護所で少し眠ることにした。


「最近色々あったから休んだ方がいいよ…。明らかに疲れてる。顔が見えなくてもわかるんだ。
鼎は休んだ方がいいよ…」


「…彩音、まだいて欲しい。少し寝るから…」
「仮面、外さなくていいの?」

「仮眠だから外す必要はない」
「もっとリラックスすればいいのに…」


鼎からしたら眠る時に仮面を着けたままはよくあることだ。仮眠の時は着けたまま。

家で眠る時はさすがに仮面は外すが、摩擦で顔の大火傷の跡が擦れるのが嫌なので、ゼノクスーツのマスク部分だけのような顔全体を覆うのっぺらマスクを着けてから寝ている。


端から見たらのっぺりしてるためにホラーだが。
鼎の部屋には対怪人用ブレード・鷹稜(たかかど)人間態がいるため、ある意味セキュリティは強化されている。


「とにかく寝ていいよ…ってもう寝てる。疲れが溜まっているのかな…。かなりお疲れみたい…」

鼎が早く寝つくのは珍しい。仮面越しだが寝息は聞こえていた。



救護所に宇崎が入ってきた。


「鼎は?」
彩音は「しーっ」というジェスチャーをする。


「今眠っていますよ。彼女、相当疲れているみたいだし精神的にもかなり疲れているのかも…。あの事件で傷を抉られたみたいで…。しばらく私はここにいます。
鼎から『しばらくいて欲しい』って言われたので」

「彩音、鼎のことは任せるよ。彩音と和希がいないとあいつは壊れそうだ…」
「室長、晴斗くんも鼎には必要ですよ。『悠真姉ちゃん』を知る数少ない人だから」


「しばらく鼎を休ませてあげて。長官から命が出たからな。敵の動向がわからない以上、こっちも下手に動けないだろ?
とにかく鼎は最低1週間、最長1ヶ月は休ませる。あいつの精神状態が心配だ…」
「私はたまに行けばいいですか?鼎のところに。カウンセリングは必要だよ」

「彩音は元カウンセラーだもんな。頼む。鼎から話し相手になって欲しい時も行ってあげて」



某所・地下研究室。


「機械生命体を生み出すなんて、グレア様最高ですわ〜」
イーディスは喜んでいる。

「『様』は余計だ。私はやりたいことをしているだけに過ぎないよ。
ゼルフェノア潰しとなると、蔦沼が邪魔になるな…」

「蔦沼?」
「ゼルフェノア長官にして、研究者だよ。
通称『義手の長官』だ。彼は様々なものを開発してはゼルフェノアに提供している。厄介な科学者長官だ」


「この戦い、科学者vs科学者の代理戦争になるわけね♪ふふふ…楽しみ〜」
「君からしたら紀柳院を潰す戦いになるかもな」

「あんな満身創痍な女、すぐにでも倒すわよ。火傷のダメージであいつはぼろぼろなんだから。
それにしても戦えないのになんで司令補佐になってるのかしらねぇ〜」

「指揮系統はほとんど戦場に出ないからじゃないのか?」



「だったら引き摺り出してあげる」



今度こそseason3へ続く?


無題


話題:おはようございます。
昨日の拍手9個ありがとうございます。眠いです。しかも今日は寒い。寒暖差で体調崩すやつじゃんか。

曇ってるのもあるのかな〜。なんかスースーするんですよ。
日差しがあるのとないのとでかなり左右される…。


昨日風呂で今朝は洗濯→風呂掃除コンボで疲れた。



自己満小説番外編、season3の敵になりそうな2人が補足不足なんであと1つで今度こそseason2は終わりかと。

詳細設定、その他の人物6をアップしないとなぁ。御堂の妹とか新たに出てきたので。


番外編 閉ざされた部屋

――ここは一体どこなんだ?

鼎は薄暗く閉ざされた空間にいた。部屋のようだが窓はなく、換気扇の音がしている。換気扇の位置は高い。
扉は重そうな金属製だがドアノブがないタイプ。


彼女は何者かによって拉致されていた。



時は遡る。数時間前――
ゼルフェノア本部。


「室長、鼎の姿見なかったか?どこにもいないんだよ。寮にもいなかった」
御堂が慌てて司令室に来た。

「見てないな〜」
「鼎に連絡しても連絡つかないんだよ。おかしくないか!?」


宇崎は冷静にある場所へ連絡した。それはゼノクだった。


「異空間にうちの鼎が行った可能性はありますか?長官」
「宇崎か。今はこちらから行ける異空間ゲートは全て封鎖してるから行けないよ。宇宙局も異空間の監視をしてるが異常なし。
紀柳院は異空間にはいない、現実世界にいる。何者かに拉致された可能性はあるだろうな…。警察に極秘で伝えといて」

「なぜ極秘ですか!?」


「本部の司令補佐が拉致されたとなると、マスコミが殺到するだろ。
だから警察は警察でもあの係に依頼しておきなさい。捜査一課零係にね」

「零課が一課にいつの間にか進化してる!?西園寺達に頼んでいいんですか!?」
「おそらく紀柳院を拉致した人間は彼女に関係していた者かもしれないね…」


鼎に関係していた者?



一方の鼎。電波が届かない空間に閉じ込められたため、連絡も出来ない状態。


私はいつからこの空間にいたんだ…?感覚が鈍くなる。
部屋から出るにしても扉はびくともしないし、換気扇は高い位置にあるため、無理だ。それにしてもこの部屋はずいぶんと天井が高い。


「一体誰がこんなことを…」


鼎は何度も扉を叩き、なんとか開けようとするが扉は固く閉ざされている。

「開かない…!開いてくれよ!!」
鼎は拳が痛くなるまで扉を必死に叩き続けたが、だんだん疲弊し扉の前でへたりこんでしまう。孤独感と虚無感がものすごい。

彼女は片方の手袋を脱いでみた。手からは血が滲み出ていた。そっと手袋をはく。



この閉ざされた空間の鼎の様子をモニター越しに見ている者がいた。

鼎はゼルフェノアに入った当初、復讐目的で入っている。
彼女からしたらその時期は今思えば暗黒期なのだが、復讐代行を共にした同業者がいた。


それが彼女を拉致した人物。

「しっかし驚いたねぇ〜。あの鼎が司令補佐とか。このまま放置したら彼女…どうなるかなぁ。簡単に気絶させることが出来たから楽だったけどね」
「イーディス、お前…そいつをどうしたいんだ?」

マッドサイエンティストな風貌の男性が「イーディス」と呼ばれた女性に話しかける。


「あら、Dr.グレア。見せしめにするのよ。わかっているわよね。配信するのよ、ふふふ…。
司令補佐の暗黒期をバラしたら、面白くなると思わない?かつては復讐代行やってましたなんて知られたら、組織は大打撃♪」


イーディスとDr.グレアは本名ではない。復讐代行における、通称のようなもの。2人とも日本人だ。
イーディスはゴスパンク風の格好をしている。髪が黒髪で長いせいか、お人形さんのよう。

Dr.グレアは片眼鏡に紳士の雰囲気を纏わせたマッドサイエンティスト。



閉ざされた部屋にいた鼎はふとカメラの存在に気づいた。

監視カメラ…?



一方、ゼルフェノア本部と警察は連携して動いていた。解析班と西園寺達の連携が冴え渡る。


「波路(はじ)!あんたの出番が来たわよ!映像解析のスペシャリストの意地を見せる時っ!!」
「チーフ、うるさいよ…。もうやってますってば」

波路が戻った解析班は活気づいている。波路と神(じん)は神がかりの連携を見せた。


「朝倉、紀柳院はこのビルの地下にいる。彼女のスマホのGPSは生きていたみたいだな」
「ナイス!神さん。波路はどう?」

「このビルの地下、何かのアジトなのかな…。めちゃくちゃ怪しいよ」



司令室では。


「解析班の報告でこの廃ビルの地下にいることが判明した。地下には不自然な空間があるらしい。
和希、鼎を助けてこい。軟禁されてる可能性が濃厚だからな。慎重に行けよ」
「俺だけ行くのはヤバくないか?」

「一応、霧人と彩音をつけておく。この2人なら自然だろ。警察も覆面パトカーで西園寺が向かってる」
「なんか大事になってきてんな…」


「とにかく和希は鼎を救出優先。いいな?地下は何があるかわからないから気をつけろよ」



都内某所・廃ビル。

「紀柳院にそろそろ食事を与えないと」
「ああ、そうだったわね。死なれたら困るもの」



地下ではある変化が。扉の下の蓋が突然開き、トレイに乗せられた食事がスライドして出てきた。蓋はすぐに閉まった上に固く閉ざされている。
トレイには「食べて下さい」と手書きでメモが添えられていた。食事はパンとスープ、ペットボトルのお茶だけだったがありがたい。


鼎はメモの文字に見覚えがあった。

「イーディス…!?なんでイーディスが私を拉致したんだ!?」


彼女は食事を忘れてカメラに呼び掛ける。

「イーディス!どういうことだ!部屋から出せ!!……出してくれ…。もう孤独なのは嫌なんだ…」
泣きそうな声。



別室のイーディスとDr.グレアは。


「ようやく気づいたわね、あの女。復讐代行の同業者が拉致ったなんてやっと気づいたみたいよ。
あの時のこと、忘れたのかなー?私達の復讐代行は『最後までやり遂げましょうね』という約束。鼎は破った。許さない」
「イーディス、紀柳院の身体の負荷…わかっているよな。長時間の監禁は出来ないぞ」

「これはデモンストレーションだから解放するわよ。仮面の司令補佐が苦しんでるとこ…見ていて気持ちいいわね。
冷静沈着な彼女だけど、閉所は未だに克服出来てない…。相当パニック起こしてるわよ。わかるのよ、仮面で顔が見えなくてもあいつは知り合った時からそうだった」



御堂達と西園寺は廃ビルに到着。


「相手がどんな奴かわからんから武器構えとけ!西園寺さん、機動隊はいないよね」
「御堂さん、これは極秘なので私と束原しかいませんよ。警察は」


御堂達は廃ビルの地下へ。



地下の閉ざされた部屋にいる鼎は食事も満足に出来ない精神状態に。
押し寄せてくる孤独感と不安感に苛まれ、何度も扉を叩いたり体当たりするが扉はびくともしない。

彼女は疲れ果て、泣いていた。


「出してくれ…。なんでこんなことをするんだ…イーディス…」

扉の下の隙間から紙が送られてきた。そこには殴り書きでこんなことが書かれていた。


『約束を破ったから天罰を下した。見せしめにされたくなければ部屋で大人しくしてなさい』


「見せしめ…?」

鼎はカメラを見た。イーディスは動画配信でもする気か!?



Dr.グレアは情けをかけようとする。

「イーディス、やりすぎだろ。そろそろ彼女を解放しないと危ないよ。あの精神状態から察するに発作を起こすかもしれない」
「ま、私が勝手にやってるだけのことなんだけどさ。鼎はなんで復讐代行を最後までやり遂げなかったのか、疑問だわ…」



やがて御堂達は地下へ到着。

「鼎ーっ!!」


この声は別室にいる2人にも聞こえた。

「あいつら来るの早くない!?なんで特定されてんのよ!!」
「どうします?戦いますか?逃げますか?先に彼女を解放しますか?」


イーディスは少し間を置いて決断。

「解放する。かつての同業者だったけど、死なせるつもりは一切ないから。
今回は見逃してあげるわよ。『今回は』ね」



鼎が閉じ込められていた地下室の扉の鍵がガチャンと開いた。

「開いた…?」


でもパニックを起こし、精神的に不安定になっている鼎は部屋から出る気力がない。

このまま出てもいいのか…?イーディスのことだ。あいつは何するかわからない。かつての同業者だったとはいえ…。


しばらくすると聞き馴染みのある声がした。

「鼎!!いるんだろ!?返事しろよ!!助けてやるから!!」


和希の声だ…。遠くから彩音の声もする。
鼎は涙声でなんとか返事した。

「こ…ここだ…。ここにいる!和希!私はここだ!!」


涙が止まらない。仮面の下は涙でびちょびちょになっているだろうな…。

御堂達は鼎を見つけた。御堂は思わず鼎を抱きしめる。

「見つけた…」
「和希…怖かった…。ずっと暗い部屋に閉じ込められてて…。会いたかった」


御堂は鼎の頭にそっと触れる。

「お前はよく頑張ったよ。一緒に帰ろうな。お前が拉致されたことは内密にしてるから安心しろ。
マスコミが殺到したら困るだろ?」


対策してくれてたのか…。


鼎は安心したのか、御堂に寄り添った。御堂は鼎の黒い手袋を見た。
出たい一心で扉を相当殴ったのだろう、傷が目立つ。手袋は薄手だからおそらく手も傷だらけだろう。


「後で怪我の手当てしてやるから。怖かったんだよな…」
「怖かった…」
「よしよし。お前は閉所恐怖症だからなー。苦手っていうレベルじゃねぇのに…。犯人は鼎のことを熟知してやがる」


「和希…その犯人に心当たりがあるんだ。
私が復讐代行時代のかつての同業者、イーディスだ」

「なんでそんなかつてのお前に絡んだ人間が…」



警察はイーディス達2人を追うも、逃げられてしまう。煙幕のようなものを使い、姿を消したと聞いた。


「紀柳院司令補佐を拉致した者は男女2人組ですね。
1人がものすごく怪しかったんですが…」
「怪しかった?」

西園寺は困惑したように言う。
「マッドサイエンティストと言った感じの風貌だったんですよ、男性が」


マッドサイエンティスト?


「とにかく今後も気をつけて下さい。紀柳院司令補佐は今後も狙われる可能性があります。本部の警備、強化させましょうか?」
「頼む」



なんとか本部に帰還。
鼎は精神的に不安定なため、救護所へ。彩音が話し相手になってくれた。


「大丈夫?落ち着いてきた?」
彩音は鼎の背中をさすってあげている。鼎はようやく仮面を外す。仮面内部は涙で濡れていた。


だから外したんだ…。



「涙でびちょびちょだよ…。久しぶりに鼎の仮面の内側、拭いてあげるね。ほら、涙も拭いて」

彩音はまるでお母さんのよう。鼎は相当怖かったらしく、まだ手が震えていた。


彩音は彼女の仮面を優しく拭くと、鼎に渡す。でも彼女の手は震えていて着けられるような状態じゃない。


「久しぶりに着けてあげるよ。本当に久しぶりだよね。これやるの」

彩音は慣れた手つきで鼎の仮面を着けている。痛すぎないように絶妙に加減しながら。


「私と鼎は付き合い長いんだから何でも言ってね。御堂さんもすんごい心配してたよ。
本当に1人で抱えないで相談して。遠慮する必要はないんだよ」

「彩音…」


「鼎の手袋、新しいのにしないとね。あの状況だと手袋もぼろぼろになるよね…。怪我の手当ては御堂さんがするって言ってたから、私は新しい手袋を出すだけにしておくよ」

「…ありがとう」



鼎の拉致はイーディスからしたら、デモンストレーションに過ぎなかった。

マッドサイエンティストのDr.グレアも引っ掛かる存在だが。



補足てきな番外編もう1つか、season3へ続く?


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