2011.3.26 00:14 [Sat]
眩しいのは色だけでなく
真っ直ぐな子供が来なくなった。
それだけで日が落ちたように静まり返る室内にぼんやり視線を投げる。
きっと彼は自ら此処に来ることはないだろう。
賢しい子だから気付いていた筈だ。
己に向けられた甘い言葉も、重ねた熱もただ目的の為に繋ぎ留める為の鎖だということを。
だが気付いていないこともあるだろう。
いつしか偽りが真実に塗り変わっていたことを。
あのコは知らないだろう。
時を重ね、体を合わせ、そのうちにどんどん深みにはまり落ちた男のことなど。
最初は、違った。
まぁ、大人ですからね。
熱を分かち合うことで気付く想いがあっても良いだろう。なんて、それらしい理由をむりやりつけて、からん…下駄を鳴らす。
さぁ、取り戻しにいこうか。
【太陽をこの手に】