(1からの続き)
ワンセグから、事の重大さがどんどん伝わってくる。
『これは史上最悪の震災だ…』
もう小樽には留まっていられない。小樽〜札幌の列車が運休したらアウトになってしまう!札幌の宿に帰れない…
ワンセグに北海道各地のバスの運休情報が次々に入ってくる。
事態は一刻を争う状況だった。
パフェを急いでかきこみ、味わう余裕も無いままに駅へと急ぐ。
母の無事を祈りつつ、『もしかしたらもう生きてはいないのではないか』
とマイナスな考えが頭をよぎった。覚悟を迫られていた。
携帯電話の充電が尽きようとしている。
とにかく、このSH008という機種は購入時から電池の消耗が激しすぎる。
…いつ連絡が繋がるかもしれない。
そう思い、電池節約のためにワンセグを終了。
札幌行きの列車の中では皆一様に口数も少なくなり、浮かない表情をしていた。明らかに落ち着いていなかった。
いや、落ち着いてなかったのは自分だったのではなかったのか。
札幌駅に着いてからはススキノのきらびやかな世界には目もくれず、宿へと急ぐ。
┗(゚ε゚;)┓=3=3
チェックイン後に一室に集合し、さっそくテレビリモコンのスイッチを入れる。
まずはテレビよりも先にメールで家族の安否と状況確認を優先してる人もいる。その人の携帯電話のキャリアはDOCOMOだった。羨ましかった。まあ、もしAUのメールが繋がっていたとしても、母はメールが『見れない・打てない・送れない』のだけれど。
札幌は、小樽に増して静寂に包まれている。この静寂がいっそう不安を掻き立てた。
(続く)
話題:東日本大震災
12.3.12 21:58 Mon
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