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信子 オキシトシンが人間を争いに駆り立てることを証明した「泥棒洞窟実験」という有名な実験があります。
剛志 泥棒洞窟?
信子 ええ。「泥棒洞窟」というキャンプ場で実験が行われたのでこの名前がついたのであり、「泥棒」という言葉にとくに意味はありません。アメリカの心理学者M・シェリフらが1960年代に行った実験で、もはや古典的な論文になっています。
まず、十〜十一歳の白人の男の子の二つの集団にキャンプをさせた。最初のうちはお互いに相手の集団が近くでキャンプしていることを知らないのですが、一週間後に両集団を引き合わせ、綱引きなどのゲームで対抗心を煽るように仕向けたのです。
その後、両集団の親睦を図るために、食事を一緒に作って食べさせたり花火をさせたりしました。この時、彼らは集団でいることによってオキシトシンの濃度は高まっていると考えられますね。
ところがこの状況下で、親睦の意図とは裏腹に、二つの集団は互いに相手のキッチンにゴミを捨てたり、殴り合いのけんかを始めたりしたのです。
二つの集団を融和させるために必要だったものは「共通の難題」でした。たとえば、二つのグループが協調しないとうまくいかない水道管の修理とか、エンジンのかからない大きなトラックを動かしたりとか。その作業をすることで、最後には「一緒のバスで帰りたいね」とお互いに言うほど二つのグループは交流を深めることができたのです。
この実験は、人間たちが集団になると戦争が始まるプロセスの原型になるものだと思います。集団になってオキシトシン濃度が高まった途端、向社会性が高まり、些細なことから紛争が勃発する。だから、オキシトシンが愛情の物質なんていうのは、すごくお花畑的な発想なのではないか。それどころか、もしかしたら戦争の源泉となっている物質かもしれない。
もともと攻撃を自分から仕掛ける人はあまりいないでしょう。「あいつが何か仕掛けてきた、だから報復しよう」といって始められる戦争がほとんどなのではないか。これは、戦史の研究者に聞いてみたいところですけれど、それのトリガーになるのがオキシトシンである可能性は高いと推測されるのです。
適菜 オキシトシンは感情の高ぶりとか、知性の劣化とはあまり関係ないのでしょうか?
信子 それは議論のあるところなのです。オキシトシンによって認知能力が高まるという説もあれば、理性的な判断ができなくなるという説もあります。
ラットを使った実験で、オキシトシン濃度が高まると餌を探す能力も高まることが報告されています。これを、認知力が高まった、と実験グループは考察しているのですが、ただ、それが本当に知性と結びついているかは疑問の余地があります。熱心に餌を探すという単純な行動はオキシトシンで促進されるのかもしれないけれど、二手先、三手先を読むという知能までが高まるかどうかについては不明です。個人的には、むしろ低下するようにも思えます。
剛志 人為的に分泌量を増やすことはできるのですか?
信子 子宮頸部を刺激すると分泌されるのです。たとえば出産のときに子宮頸部が刺激を受けるので、出産を経験するとオキシトシン濃度が高まります。経産婦のほうがオキシトシンの影響が大きいという動物実験もあります。
剛志 冒頭に出た、幸せな女性のほうが右っぽくて、不幸な女性が左翼っぽいというのは、もしかしたらオキシトシン濃度と関係ある?
信子 それは蓋然性の高い仮設です。
剛志 じゃ、オキシトシンを投与するとみんな右傾化するってことですか?
信子 実証的には分からないけど、妬みの感情は強まりますね。わたし、その実験をしましたから。
剛志 おかしいな。妬みがちな人って、右翼だけでなく左翼にも多い気がするけど。
信子 そう言われてみれば興味深い事例を私は思い出すのですが、あさま山荘事件……。
適菜 1972年に連合赤軍が人質をとって軽井沢のあさま山荘に立てこもった事件ですね。あさま山荘に至るまで、連合赤軍は山岳ベースで「総括」という名の下に凄惨な内ゲバ殺人を繰り広げました。
信子 実は、オキシトシンによって強められる妬みの感情は、集団内の個体にも向けられることがあります。誰かが「一人だけズルをして得をしている」「集団内のルールに従っていない」という状況が発生した場合です。
集団内に「一人だけズルをして得をしている」個体を放置しておくと、協力行動の前提が崩れてしまいます。すると、集団のメンバーが協力行動に対して消極的になるので、集団の崩壊リスクが高まってしまいます。そこで、こうした個体を「裏切り者」として、徹底的に排除する必要が生じる。集団の結束を守るためです。
このとき、意識的にならずとも、メンバーにこの「裏切り者」に対する妬みの感情さえ生起させれば、集団は自動的に守られるわけです。裏切り者を排除することによって。妬みの感情が、強ければ強いほど、排除機能は高くなる。これはサンクションと呼ばれ、制裁という意味です。




妬みの感情は殆どの人間が持っているだろうが、個人差があるんだろうな。かくいう俺も、例えば俺よりも知識があって頭脳明晰な人には大概妬みがあるし(苦笑)頭脳明晰でもサヨクだったり新自由主義だったりしたら軽蔑の対象だがww
上念司、倉山満、田中秀臣、序でにF谷経衡、あいつらの妬みは尋常じゃないでしょ(冷笑)誰に嫉妬してんのかは知らんが。

この議論でいくと、いじめもオキシトシン関係あるんじゃねぇの?って考えてしまうな。誰かを攻める事で感情が高ぶるんだろうから…厭な高揚感だけどな。だからいじめはなくならないんだろう。