話題:やっぱり、君の隣が一番落ち着く
週末、部の飲み会を催した神田です
毎月の活動そのものはしているようなのだが、上級生の集まりが悪いために飲み会が少なく、これじゃ下級生がつまらないのじゃないかと思って一肌脱ぐことに
先週から予告しておいたからか、バイトでどうしても来られない部員以外ほぼ全員が集まった
やっぱり酒の力は偉大だ
場所はお好み焼き屋
ビキニと久しぶりに会った
彼女は煮え切らない態度を貫く俺を諦め他の男に走ったと聞いていたのだが、女将さんの話では、色んな人と会ってみてたようだけどコレって人がいなくて、そんなことやってる自分に疲れてきたみたいよ、ということだった
「神田君は彼女できた?」と聞かれて、忙しいからね…とだけ答えた
茶髪とは完全には別れてはいないが、もう会う予定はないから彼女はいないも同然
女将さんは「何も変わってないのね」と言ったあと優しく微笑んだ
〜中略〜
後片付けが終わり、一般客が途切れた時間帯にカウンターの席にビキニと腰掛けた
近くで見るとビキニは少しふくよかになっていた
痩せろよ、カッコ悪いから、と言うと、学生時代の友達と食べ歩きをしてたからと言い訳をしたあと、「見ないで」と言いつつ俺の顔をよそに向けた
頬に当たるガサガサの手
荒れ加減を確認しようとその手を掴んだその時、ビキニが「ハッ」と声を漏らした
ん?どうした?と聞くと、「ううん、何でもない」と早口で言うと、素早く手を引っ込めた女
10秒ほど沈黙
グラスの中の烏龍茶が減ってきてたのでおかわりを頼もうと横を向くと「ハァ…も〜ぅ、ハァ〜」てな溜め息のような声が聞こえた
何?と聞いても答えない女
女将さんがいると話せないのかなと思って、ちょっとだけ出ようか、と言ってみた
すると、壁の時計を見た女は「お母さん、ちょっと出てくる」と言って立ち上がった
店の裏の建物と建物の間の狭い空間に入った
ここなら猫以外誰も来ない
今日は忙しくさせちゃって悪かったな、と言うと、ここでも返事はなかった
だが、女は関係ない話をし始めた
要約すると、自分の気持ちばかりを優先させて、爺と妹を抱えている俺のことを考えてるようでよく考えてなかった
男を作ろうと頑張ったんだけど、ドキドキしなかった
今日は久しぶりにドキドキした
という話
今もドキドキしてる?と聞くと、女は抱きついてきた
ドキドキを感じる暇もなく泣き声が聞こえてきた
暫くそのままでいたら、「手、回してよ」と小さく声がしたから望み通りに背中に手を回して、より密着させた
下の方から「きゅ〜」と声なのか何なのか音がしたが、また暫くそのままでいてやった神田でした