いきなり始まった最終・第3ウェーブ。ルールが少し変更になったのはいいのだが、派手に爆発している。


御堂達残りのプレイヤーも、休憩所からフィールドに出ていた。


「おいおい…派手に爆破してんな〜。ぶっ壊していいのかよ」
霧人はフィールドが明らかに広がっていることに気づく。

「御堂。フィールドが街全体に広がってるな。
フィールド内なら壊してもゲーム終了後に何事もなかったかのように元に戻るんじゃないの?そのための見えない壁なんだろ、あれ」

「霧人、鼎と晴斗は一緒に行動してるみたいだから任せよう。
ルール変更で『無の存在』を味方にした時点で、ポイントが加算される仕様になってる。無の存在は1バトルごとにリセットされてたが、変更でリセットもなくなってんな」


いちかと朝倉は珍しく一緒に行動中。


「朝倉さん、ボーナスアイテム入手しやすくなってるよ。アイテムの種類も5種類に増えてるけど…牢屋が厄介みたいっすね〜」

「第3ウェーブのクリア条件、制限時間内に牢屋にいるプレイヤーを『全員救出』しないと牢屋にいるプレイヤーは元の世界に戻れないって…。
紀柳院さんは無の存在3体を解放したいみたいだから、クリア条件かなり厳しくなるわよ」



変更したルールには「無の存在」についての記載があった。


・無の存在の記憶を戻したければ、彼らを解放したければ3体ともプレイヤーの味方にしなければならない。
・無の存在の正体はプレイヤーに関係している。


街全体がゲームフィールドなこともあり、戦闘は派手になる。


桐谷は早速ボーナスアイテムを入手していた。
「手榴弾ですか…。それも2個。確かに一気に倒せますが…」

桐谷、ゲームらしからぬアイテムに戸惑う。これってゲームのアイテムなんですかねぇ。急にリアルになってますよ…。


鼎は味方にした件の無の存在をAとした。仮面慣れしてない個体はB、ずっとこの異界にいるらしき個体はCと仮定して。

無の存在Aはやはりどこか…鼎に心当たりがあるような感じがする。
味方になってからかなり頼もしくなっているあたり。


「お前は私のことを知っているんだな!?」
怪人と戦闘中だが話す余裕がある鼎。無の存在Aは盾で鼎を守ってる。晴斗は銃で迫りくる怪人を次々撃破。



鼎はこの無の存在Aがあの人ではないのかと、疑っていた。
それは鼎が例の事件後に名前を都筑悠真から紀柳院鼎に変え→ゼルフェノアの施設・陽明館にいた頃、孤独だった鼎に話し掛けてきた男性がいたことを思い出した。


それは鼎が彩音と出会う前のことだ。

まさかあいつなわけ…ないよな…。あいつも陽明館にいたから怪人被害に遭って孤独だったはず。
私がゼルフェノアに行くと話した時も反応はなかった。私をどこか気にしていたようだったが。



晴斗と鼎は無の存在Aに守って貰いながら、次々撃破。ポイントを稼ぐ。
そんな2人もボーナスアイテムをゲット。晴斗は刀・鼎はマシンガン。

マシンガンには弾数があるようだが、かなり強力に撃破出来る。そんなアイテムの弾数は200発。


晴斗と鼎は連携しながら無の存在Bに接触、味方につける。
無の存在Bはゲーム前は仮面慣れしておらず、ふらふらしていたがいざゲームが始まるとスイッチが入るタイプらしい。

無の存在AとBは面識がないようだ。無の存在Bはゲーム中でもどこか頼りない。ナツメが言ってたように「比較的新しい」かららしいが。

無の存在は喋れないものの、意志疎通は出来る模様。


「無の存在同士は意志疎通出来るのか…」


御堂もポイント荒稼ぎし、ボーナスアイテムのロケット砲をゲット。

「一網打尽型かよ…。ま、いっか」
御堂はロケット砲をぶっ放し、怪人をまとめて倒してる。


朝倉といちかもあっさりボーナスアイテムをゲット。
朝倉はマシンガン、いちかは刀だ。


「今のところ、牢屋には誰もいないみたいね」
「きりゅさんすごいよ!無の存在2体を味方にしたって!!ポイント獲得してるよ!」

「紀柳院さんも頑張ってるな…」
「あたし達も元の世界に戻れるように頑張ろうよ!!」

「時任さんは元気よね〜」


朝倉、いちかに振り回されながらも楽しそう。



第3ウェーブの牢屋・無限牢は強化されているため、救出するのも一筋縄じゃない。牢屋行きを避けるには、とにかく怪人から攻撃を受けないことだ。


鬼ごっこ要素が強化されたのが第3ウェーブ。



鼎と晴斗は無の存在Cを探していた。

フィールドにいる無の存在3体とも味方にすればさらにポイントが加算され、ゲームを有利に進めることが出来るアイテムが貰えるらしい。



順調なのは開始10分までだった。ゲームマスター・タデシナはプレイヤー7人を試すため、見慣れないタイプの怪人をフィールドに送りこむ。

「第3ウェーブの本番はこれからですよ、皆さん。クリアまで頑張って下さいね」


第3ウェーブが難しいと云われるのは、この最終ラウンドに投入される怪人の撃破が厄介なため。
フィールドには僅か2体しかいないのだが、鞭使いの怪人よりも強力なためプレイヤーは連携しなければならなくなる。


フィールド内の爆破も激化。新たな怪人が投入されたことでプレイヤーは苦戦を強いられることとなる。


晴斗と鼎は無の存在Cを味方につけるため、なんとか攻撃を回避しながらフィールドを走っていた。

「どこにいるんだ…?最後の無の存在…。どこにいる!?」



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