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特別編 特殊請負人・憐鶴と御堂隊長(5)

いちかがレオナと対峙していた頃、ゼノク本館ではゼノク隊員&応援の本部隊員vs武装集団の戦いが続いている。
上総(かずさ)はイライラしていた。


「桐谷、おかしくないか?」
上総は忍者刀型の対怪人ブレードで戦ってる。
「何がですか」
「ハヤウエとレオナ以外の連中、使い捨ての駒みたいだなって…」

「上総さん後ろ!!」
桐谷が叫んだ。上総はとっさの判断で背後からの攻撃をかわす。襲撃したのはマカベ。マカベはつまらなそうに呟く。


「忍者みたいなやつと、弱そうなやつか…つまんないな」
このマカベの言葉にイラッとしたのは桐谷だった。どこからか、マシンガンとロケット砲を用意していた彼は、マカベと対峙する流れに。

「その言葉、聞き捨てなりませんねぇ」
顔はニコニコしていたが怒りを露にする桐谷。上総はぞわっとした。
この人を怒らせてはいけない!!


「上総さんは他の方と合流して下さい。私は彼と対峙します」
「へぇ〜、あんた怒るんだ」


普段は仏のような微笑みがトレードマークな桐谷だが、怒るとかなり危ない隊員。それは鼎が本気でキレた時の倍は怖いらしい。

桐谷はマシンガンを構えた。よく見ると桐谷の周りには多数の銃火器がある。いつの間に!?


「あなた達の目的はなんですか?言いなさい」
桐谷は静かにぶちキレた。



同時間帯、病院。いちかはレオナを必死に説得を続けてる。


「レオナさん…看護師だったんでしょ?
それであの時…きりゅさん、いや…紀柳院司令補佐を助けたんだよね。
あれ以降、きりゅさんはレオナさんに感謝してた、『誰かはわからんが助けてくれてありがとう』って。あの時きりゅさんかなりヤバかったの後から知った…。
加賀屋敷さんはきりゅさんの命の恩人なんだよ!加賀屋敷さんを始末してしまったら…きりゅさん…いや、司令補佐は悲しむと思う…」


レオナは元々加賀屋敷が闇医者時代にいた専属の看護師。加賀屋敷は元は武装集団の闇医者だった。
だが彼は10数年前に蔦沼長官を治療したことを契機に武装集団を離脱→ゼルフェノアに拾われる。

蔦沼は手術前に加賀屋敷から提示された額3億とは別に、ゼルフェノアへ来ないかと100億を出し→加賀屋敷は条件付きで快諾。
その条件が警察に言わないことだった。ゼルフェノアは警察と連携することが多いため、闇医者は捜査対象になりやすい。長官はゼノクを隠れ蓑に、わけありの凄腕の医者や看護師を拾っては独自の医療チームを形成した。

それが現在のゼノク医療チーム。
加賀屋敷は組織を裏切ったわけではない。100億と引き換えだったせいで、かなりややこしくなっているが。


「…私、何バカなこと…してんだろ。加賀屋敷はそんなことするわけないのに…あの人はただただ多くの命を助けたくて組織を離脱したんだ……」

レオナはようやく理解した。加賀屋敷はそんな人だから。
そこに突如やってきたのは加賀屋敷。


「玲央名、久しぶり」
「何涼しい顔して出てきてるのよ!殺されたいの!?」

「…相変わらず強がりだな。戦意喪失してるのに。元々君は戦闘に不向きでしょうが。本当は心配なんだろ、紀柳院のこと」

加賀屋敷は見抜いていた。いちかの説得が功を奏した形だと。
彼はレオナに続ける。


「玲央名、組織を離脱しないのか?ハヤウエは『怪人』なんだぞ?」
レオナはハヤウエが怪人であることをずっと「知らなかった」。加賀屋敷はそれを見抜いて組織から離脱したんだ。

「リーダーが怪人…?」
「気づかなかったのか」

レオナ、無言。さらに戦意喪失する。今まで慕っていた人が怪人という事実はショックだったらしい。


「私…騙されてたの?」
「他のメンバーも騙されているかと」

加賀屋敷はただの医者じゃない。怪人を見抜く洞察力が鋭かったんだ。


レオナはショックを隠しきれない様子。いちかはワイヤーを解いた。
御堂はなんとか病院を守れたことに安堵する。しかし…メンバーを騙してまで手に入れたいものってなんなんだ!?ハヤウエは?



本館3階では桐谷vsマカベの戦いが続く。ハッキングをなんとかしなければならないですが…。

「なかなかやるじゃん、お兄さん」
「うるさいですね…」


キレた桐谷は恐ろしい。マシンガンで的確に攻撃しているが、マカベもマシンガンを装備。銃撃戦となる。


一方、ハッキング解除のため、司令室に向かう三ノ宮。

館内は防弾シャッターに道を閉ざされたように見えるが、ある裏ルートを使うと司令室に行けるようになっている。これは武装集団も知らないようだった。


裏ルートは誰もいない。三ノ宮は万が一のためにゼノクの裏ルートを把握していた。


誰もいない…。


三ノ宮ははしごを使い、司令室へ。裏ルートにははしごが設置されているが、表からは見えない構造。
ゼノクは迷宮のごとく複雑になっている。それは本部や支部以上に複雑だ。

本館ですらそんな感じなので、研究施設はさらに複雑化している。



三ノ宮は息を切らしながらなんとか司令室に到着。

「長官、室長…ハッキングどうなってますか!?」
いきなり現れた三ノ宮に驚く西澤。蔦沼は想定内だったらしく、動じない。

「小細工入れてはみたけど、司令室からはほとんど無理だよ」


長官が言う「小細工」って何!?


「じゃあハッキングした輩を倒すか何かしないとダメ!?」
三ノ宮は必死。

「そいつ、タブレットか何か持っているはずだ。そいつからタブレットを奪えば…ハッキングは解除されるだろうね」
「長官、このハッキング変じゃないですか?なんで映像はそのままなんだろう」

西澤、呟く。

「彼らからしたら、本館はどうでもいいんじゃないかな」
「じゃあ目的は…」
「映像を見る限り、病院や東館、居住区はスルーしてるね。
病院では何者かが襲撃しかけたが、時任のおかげで未遂に終わったよ」

「…まさか、研究施設か?奴らの目的は…」
西澤は何かに気づいたようだ。



駐車場ではハヤセが予想外の人と対峙。それは支部から来た囃(はやし)だった。

実は支部からも数人来ている。


「ようやく俺の出番か。なんで支部まで応援来なきゃならんわけ?」
「つべこべ言わんで、そいつからタブレットを奪いなさい」

小田原司令からの通信。囃は体格のいい隊員なせいか、威圧感がある。しかも野太刀型ブレードを持っているため、怖い感じ。


「そこのお兄ちゃん、タブレットよこしてくれるかな〜?」
「拒否」
「あー、めんどくさっ」


囃はブレードを抜刀。ハヤセと戦闘に。小田原は慌てて伝えた。
「タブレットは絶対に破壊するなよ、怪力バカ!」
「わかってんよ、司令」



支部からは強力な助っ人もいた。月島だ。

「音撃で防弾シャッター破りましょうか?」
「全部壊したらダメーっ!!」

思わず西澤のツッコミが入る。武装集団は戦闘員クラスの怪人も複数出現させている。ハヤウエが隊員を一掃したいからか?



桐谷vsマカベはさらに激化。

「なかなかしぶといですね」
「お前もな」



ハヤウエは静かに進んでいく。戦闘員クラスの怪人を従えて。

「ここが研究施設に繋がる通路か…面白い…」



ゼノク・地下本拠地。憐鶴(れんかく)は様子見していた。

「まだ出ないの〜?」
苗代は暇そうだ。
「私達は地下から直接、研究施設へ行けます。まだタイミングが早い。
もう少し、隊員達に粘って貰わなくては…」


「九十九(つくも)を使う気か?」…と赤羽。
「九十九がないと難しいですよ」



病院では御堂が鼎のことを案じながらも、彼は本館に合流。いきなりマカベとの戦いに巻き込まれる。

「うおっ!?」
「あれ〜?御堂サンじゃないですか〜。やっと面白くなってきた」
「桐谷は無事か?」

「私はなんとか…」
「桐谷、俺に代われ。銃撃戦十八番だからな」


御堂は銃を構えた。2丁拳銃スタイルで。マカベは楽しそう。

「ハヤウエ様の進行は止まらないよ〜。止められるかな?御堂隊長」
「ごちゃごちゃうるせー」


御堂はマカベにジリジリ迫っていた。銃撃戦がいつの間にか近接戦へと変わる。


「十八番なのは銃撃戦だけじゃねぇんだよ」
「んな!?」

いつの間にか形勢逆転。御堂の有利に。

「ごちゃごちゃ言ってねーで、ハヤウエの居場所を教えろ」
「嫌だね〜。ハヤウエ様の悲願の達成なら、俺達はついていくから」


しっかし、めんどくせー敵だな…。



特別編(6)へ。


昨日の今日なせいか


話題:おはようございます。
昨日の拍手9個ありがとうございます。昨夜のゲトレロスの影響で夢にあの手術室が出てきた…。どんだけハマってたんだ自分。

ネタバレ全開で書きますよ。


最終回観た直後のロスもヤバいですが、次の日に一気にずーんと来るんですよ…。ロスがな。リバイスロスばりにひどいぞ、ゲトレロス。
ゲトレはバッドエンドじゃなかっただけ、いいのかなぁ。あの終わり方だと続きを匂わせてるんだよね。

闇医者チーム復活しますよエンド?


あれって結局何エンドなんだ?

ハッピーエンドではないから、ビターエンドか?
ラストシーンでチーム再集結してたからなぁ。


ジョーカーだけ捕まるとは思わなかったけどね。チーム解散→全員捕まると予想してたから。
あの流れだとそう思ってしまうって。アジトに警察が突入するシーンで、地下の手術室と4人がよくいる白い部屋以外の描写が初めてはっきり出たけど、ミスリードの場所まであるなんて秘密基地感半端ねぇよな…あの場所。

ああなってたのかよ!?すごい細かい設定だな、地下アジト…。


ガルウイングのような照明の手術室という発想、堤幸彦じゃないと出来ないと思う。
白い部屋と黒い手術室の対比も演出でかなり効いていたような。手術室の近未来感は好きでした。未知の機器もある設定なのがまた…。



今日からマスク緩和か…。
人多いところと病院ではマスクするけど、今花粉症シーズンだし鼻炎持ちだからマスクする。マスク生活に慣れちゃったせいもありますが。



自己満小説特別編(4)微妙に修正。鼎さんの手術シーンがなんとなーく入ってたが、一時心停止しましたってのを入れ忘れてた…。

この特別編、下手したら(10)やそれ以上行きそうです…。敵がまだ本館にいるんで、その奥の研究施設に行かないと話が進まない的な。
しかも同時間帯にバトル勃発してるから長くなる。本館では三ノ宮が司令室に動いたが、二階堂と粂は研究施設に先回り。

地下にいる憐鶴達3人はまだ動かないぞ。
4まで書いててまだこれ、序盤なんですよね…。


5では病院でいちかが決着つけるかと。それと同時間帯での戦闘シーンも出る予定。
憐鶴が動くのは中盤以降。

ゼノクの設定細かいから、この特別編で一気に出すと思う。研究施設の設定はまだあやふやですが。
なんでハッキングされたはずのシステムの一部を西澤が一時的に解除出来たのか?…とか。秘密は司令室にあり。

まだ隊員達は駐車場の死角に気づいてないんだよね…。ハヤセとのバトルも予定してます。こいつがゼノクシステムをハッキングしたんで。


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