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chapter.7 時空生き残りゲーム:無の存在W

いきなり始まった最終・第3ウェーブ。ルールが少し変更になったのはいいのだが、派手に爆発している。


御堂達残りのプレイヤーも、休憩所からフィールドに出ていた。


「おいおい…派手に爆破してんな〜。ぶっ壊していいのかよ」
霧人はフィールドが明らかに広がっていることに気づく。

「御堂。フィールドが街全体に広がってるな。
フィールド内なら壊してもゲーム終了後に何事もなかったかのように元に戻るんじゃないの?そのための見えない壁なんだろ、あれ」

「霧人、鼎と晴斗は一緒に行動してるみたいだから任せよう。
ルール変更で『無の存在』を味方にした時点で、ポイントが加算される仕様になってる。無の存在は1バトルごとにリセットされてたが、変更でリセットもなくなってんな」


いちかと朝倉は珍しく一緒に行動中。


「朝倉さん、ボーナスアイテム入手しやすくなってるよ。アイテムの種類も5種類に増えてるけど…牢屋が厄介みたいっすね〜」

「第3ウェーブのクリア条件、制限時間内に牢屋にいるプレイヤーを『全員救出』しないと牢屋にいるプレイヤーは元の世界に戻れないって…。
紀柳院さんは無の存在3体を解放したいみたいだから、クリア条件かなり厳しくなるわよ」



変更したルールには「無の存在」についての記載があった。


・無の存在の記憶を戻したければ、彼らを解放したければ3体ともプレイヤーの味方にしなければならない。
・無の存在の正体はプレイヤーに関係している。


街全体がゲームフィールドなこともあり、戦闘は派手になる。


桐谷は早速ボーナスアイテムを入手していた。
「手榴弾ですか…。それも2個。確かに一気に倒せますが…」

桐谷、ゲームらしからぬアイテムに戸惑う。これってゲームのアイテムなんですかねぇ。急にリアルになってますよ…。


鼎は味方にした件の無の存在をAとした。仮面慣れしてない個体はB、ずっとこの異界にいるらしき個体はCと仮定して。

無の存在Aはやはりどこか…鼎に心当たりがあるような感じがする。
味方になってからかなり頼もしくなっているあたり。


「お前は私のことを知っているんだな!?」
怪人と戦闘中だが話す余裕がある鼎。無の存在Aは盾で鼎を守ってる。晴斗は銃で迫りくる怪人を次々撃破。



鼎はこの無の存在Aがあの人ではないのかと、疑っていた。
それは鼎が例の事件後に名前を都筑悠真から紀柳院鼎に変え→ゼルフェノアの施設・陽明館にいた頃、孤独だった鼎に話し掛けてきた男性がいたことを思い出した。


それは鼎が彩音と出会う前のことだ。

まさかあいつなわけ…ないよな…。あいつも陽明館にいたから怪人被害に遭って孤独だったはず。
私がゼルフェノアに行くと話した時も反応はなかった。私をどこか気にしていたようだったが。



晴斗と鼎は無の存在Aに守って貰いながら、次々撃破。ポイントを稼ぐ。
そんな2人もボーナスアイテムをゲット。晴斗は刀・鼎はマシンガン。

マシンガンには弾数があるようだが、かなり強力に撃破出来る。そんなアイテムの弾数は200発。


晴斗と鼎は連携しながら無の存在Bに接触、味方につける。
無の存在Bはゲーム前は仮面慣れしておらず、ふらふらしていたがいざゲームが始まるとスイッチが入るタイプらしい。

無の存在AとBは面識がないようだ。無の存在Bはゲーム中でもどこか頼りない。ナツメが言ってたように「比較的新しい」かららしいが。

無の存在は喋れないものの、意志疎通は出来る模様。


「無の存在同士は意志疎通出来るのか…」


御堂もポイント荒稼ぎし、ボーナスアイテムのロケット砲をゲット。

「一網打尽型かよ…。ま、いっか」
御堂はロケット砲をぶっ放し、怪人をまとめて倒してる。


朝倉といちかもあっさりボーナスアイテムをゲット。
朝倉はマシンガン、いちかは刀だ。


「今のところ、牢屋には誰もいないみたいね」
「きりゅさんすごいよ!無の存在2体を味方にしたって!!ポイント獲得してるよ!」

「紀柳院さんも頑張ってるな…」
「あたし達も元の世界に戻れるように頑張ろうよ!!」

「時任さんは元気よね〜」


朝倉、いちかに振り回されながらも楽しそう。



第3ウェーブの牢屋・無限牢は強化されているため、救出するのも一筋縄じゃない。牢屋行きを避けるには、とにかく怪人から攻撃を受けないことだ。


鬼ごっこ要素が強化されたのが第3ウェーブ。



鼎と晴斗は無の存在Cを探していた。

フィールドにいる無の存在3体とも味方にすればさらにポイントが加算され、ゲームを有利に進めることが出来るアイテムが貰えるらしい。



順調なのは開始10分までだった。ゲームマスター・タデシナはプレイヤー7人を試すため、見慣れないタイプの怪人をフィールドに送りこむ。

「第3ウェーブの本番はこれからですよ、皆さん。クリアまで頑張って下さいね」


第3ウェーブが難しいと云われるのは、この最終ラウンドに投入される怪人の撃破が厄介なため。
フィールドには僅か2体しかいないのだが、鞭使いの怪人よりも強力なためプレイヤーは連携しなければならなくなる。


フィールド内の爆破も激化。新たな怪人が投入されたことでプレイヤーは苦戦を強いられることとなる。


晴斗と鼎は無の存在Cを味方につけるため、なんとか攻撃を回避しながらフィールドを走っていた。

「どこにいるんだ…?最後の無の存在…。どこにいる!?」



chapter.8へ。

chapter.6 時空生き残りゲーム:無の存在III

「第3ウェーブ前だが、ゲームフィールドに出るのは自由なんだろ?」
鼎は運営の2人に聞いてきた。ナツメは即答。

「自由ですが」
「鼎、どこに行く気だよ!」


御堂は休憩所を出ようとする鼎を追おうとする。

「あの『無の存在』に直接会いに行く」
「鼎さん、俺も一緒に行っていい?」

「晴斗か…いいぞ」
2人は休憩所を出た。ゲーム前のゲームフィールドは初めて出る。フィールドは既に第3ウェーブに向けて拡大されていた。



「フィールド、一回り大きくなってないか?それ以上か?」
「壁の位置、かなり変わってるね。街全体フィールドになってるよ…」

2人はスマホでフィールドを見る。
ゲーム前なせいか、フィールド内は静か。怪人がいないゲームフィールドはこんな感じなんだ。


「今は街全体がゲームフィールドだから住人がいないんだね」
「ゴーストタウンみたいだな…」
「鼎さん本気で探すの?あの無の存在さん」

「フィールド内をうろついてるのはわかっているんだ。マップにも無の存在は印がついてるな。この緑の点が無の存在3体だろう。
…それにナツメが見せてくれた映像のおかげで、だいたいの場所はわかった」



運営が提供する昭和レトロな休憩所。御堂は鼎が気になっていた。


「鼎のやつ、心当たりでもあんのか?無の存在、どれも同じに見えたけどよ」
「たいちょー、無の存在3体よく見ると同じじゃないっすよ。ほら」

いちかはナツメが見せた映像を示した。
「ほら、この個体…仮面慣れしてなくてふらふらしてるでしょ?ナツメさんが言ってた比較的新しい無の存在がこれみたいっすね」


確かにめちゃめちゃふらふらしてる。ゲーム前だとこんな感じなのか?

御堂は他2体の無の存在を見た。
「よく見たら背も違うんだな…。鼎が探してる個体はこいつみたいだけど」



一方ゲームフィールド内。


鼎はそれらしき個体を発見。
「いたっ!」
「鼎さん早いよ!」


鼎は小走りでその無の存在と接触。
ゲーム前なせいか、無の存在はどこか戸惑いを見せたように見えた。


「こ…怖がらないで。俺たち何もしないから…ね?」

晴斗は恐る恐る声を掛ける。鼎も慎重だ。


「私はお前の正体が気になって来たんだ。記憶がないのか?」

件の無の存在はうなずく。


「記憶がないのか…?そうか」
鼎の声はしゅんとしている。鼎も仮面姿だがどこか寂しそう。

無の存在はおろおろしているが、鼎のことが気になっているようにも見える。


「鼎さん、なんかこの人…気になっているみたいだよ」
「何か言いたげだな…」


鼎は話し掛ける。

「お前達『無の存在』は喋れないのか?」
件の無の存在、うなずく。


「自分が何者なのかわからないのか…」
さらにうなずく。無の存在はとにかく素直。
晴斗は思い切って鼎に切り出した。

「鼎さん、仮面外して素顔見せてみたら…どうかな…ダメ?」
「フィールド内で素顔になれと?…抵抗あるよ、こっちだって…」


晴斗は鼎と件の無の存在を連れて塀の中へ。
「ここならゲームが始まっても大丈夫なはず。鼎さん、その無の存在さんに顔…見せてあげて。何かしら思い出すかも」


鼎は意を決して仮面を外すことにした。晴斗がいなければこんな手段はとれない。

彼女は慎重に仮面を外し、素顔になる。顔の大火傷の跡はひどいが…。
件の無の存在は鼎に一瞬反応したように見えた。


晴斗は小声で鼎に伝える。

「鼎さん、無の存在さん反応してたよ」
鼎は仮面をそそくさと着けている。
「こいつの顔がわかればいいのだが…」


無の存在はやっぱり何か言いたげ。

「私の素顔に反応していたな…。お前は私に心当たりがあるのか?」
件の無の存在はうなずいた。心当たりあるんだ…。


晴斗はスマホを見る。第3ウェーブのルールに変更があったらしい。

「鼎さん、第3ウェーブのルール少し変わってる。ラスボスがなくなったよ。…どういうこと?」
「ゲームマスターは何を考えてる?急にルール変更だなんて」

「他にも微妙に変更されてるよ。ボーナスアイテム入手しやすくなってるし、種類が増えてるよ」


無の存在は首をかしげてる。


「ルール変更したこと、わかっているみたいだな」
「鼎さん、この無の存在…ルール変更わかっているの?」

「あの反応は理解していた」



そんな中、第3ウェーブがいきなり始まる。


「怪人が出てきてる…マズイよ!」
「大丈夫だ。こいつは味方にしたからな」

鼎さんいつの間に!?



第3ウェーブの制限時間は45分。怪人の数も倍増。難易度もかなり高い。


「鼎さんはそいつを守って!俺がカバーするから!!」

晴斗は銃を構えている。


第3ウェーブはフィールドが広いせいか、必然的に敵の数も多い。
微妙にルールが変更された最終・第3ウェーブ。これをクリアしなければ元の世界には戻れない。



chapter.7へ。


興味なさすぎて


話題:ひとりごと
世間はWBC一色ですが、野球興味ない自分からしたらものすごくどうでも良くて。何回も同じような映像流されてもな…。


ぶっちゃけ「あぁ、もうわかったから!…お腹いっぱいだよ!」って感じ。
昨日と一昨日、急遽WBC特番に変えたTBS系…やりすぎだと思う。ワールド極限ミステリーSP、後でちゃんとやるんだろうな?今は改編期だから出来るのではと…。


昨夜のゴールデンタイムは絶望的につまらなかったな…。水ダウまで、なぜかEテレ流してた。BGMがわりよ。



プレバトの先生のお手本で流れるバイオリンのBGMが非常に気になっていた自分、今日のスッキリでもやもやが晴れた。
あのBGM、葉加瀬太郎の曲だったんか!

でもプレバトは嫌いなんだよね。芸能人の出来レースにしか見えなくて。
特に俳句が嫌いだわ。夏井先生はいいんだけど、梅沢がもう嫌で。老害じゃん。


イギリス発のソーイング・ビーやベイクオフ見ていた方が精神的には良い。
海外の番組ですが、一般人だし海外番組って嫌味がないというか。番組もコンパクトで見やすい。昔好きで見ていたTVチャンピオンの海外版って感じがするんですよ。

TVチャンピオン、ものづくり系の選手権が好きで子供の頃よく見てた。パティシエ王とか、ジオラマ王とかとにかくものを作るやつを見るのが好きで。


改編期が終わったら、ベイクオフまたやるんだろうか…Eテレ。
ソーイング・ビーはシーズン5終わったからあの時間帯に来るとするならベイクオフかな?


TVチャンピオンみたいなマニアックでニッチな選手権の番組、ニッポン知らなかった選手権くらいになってしまい、微妙に。
しかも先週最終回だった。見ましたよ。あの時間帯はまた知らなかった選手権やると思うけどな〜。

総合火曜23時、次は100カメだから見てしまうやつだ。



日本が優勝したのはすごいんだろうけど、野球めっちゃ興味ないからめちゃめちゃどうでもいいわ。

なんだよ、アホみたいに浮かれててさ。ひねくれ者の呟きですよ、はい。
野球興味ない=ルールわからない=だからちんぷんかんぷんなんですよ。


朝の情報番組とワイドショー、もうわかったから。くどい!!
同じ映像アホみたいに流すなよ。新聞はまだしも、テレビはアホみたい。

ラジオもあの時間帯は話題になってたが、テレビほどじゃなかっただけマシか…。ラジオ局とラジオ番組にもよりけりですが。


スポーツ中継興味ないんだよ…。五輪やワールドカップも興味ないし。スッキリ前半見なかったわ、前半はラヴィットにしてましたが。
ラヴィットはそういうの一切ないから逆にいい時もあるか…。時々見ているぞ、ラヴィット。企画にもよりますが。


無題

話題:おはようございます。
昨日の拍手12個ありがとうございます。昨夜は夫を社会的に抹殺する5つの方法観てから寝ましたが、次回の最終回どうなるんだ?
大輔の多重人格ぶりがやべー回だったけど。


女神の教室、キャスト確認したらおもいっきり名前間違ってた。山田祐貴と前田旺士郎だった。とりあえず様子見してみるか。一輝にいが見たいだけだが。
こっちの地域、フジ系とテレ東系入らないからドラマとバラエティー番組は遅れ放送。
千鳥の鬼レンちゃんだっけ、土曜か日曜の午後やってんぞ。つまらないから観ないけど。

アンビリーバボーは昔から日曜午後に遅れ放送なんで、気にしてない。
忍者に結婚は難しいも深夜近くに遅れ放送してるけどね。


春ドラマに前田拳太郎くんが出るらしいが、フジ系なんでこっちの地域は遅れ放送確定だな。しかもラブコメなんで見ない。
恋愛ドラマ興味ない人なんでー。斜め上の恋愛ドラマだったら見てもいいかなと。変化球的な。



すぐやる課のわけあり激せま駐車場と廃墟のやつは興味深かったな〜。すぐやる課は内容で観るか観ないかしてる。

かまいガチ、ヤジ王選手権途中まで見てたがカオスすぎてすぐやる課に変えました。なんだあれ。


それよか昨夜の水ダウ、笑うしかなかった。違法アップロードランキングって。だから画面サイズ小さかったんかwww

どの企画も面白いのばっかじゃん…。上位のやつ笑いこらえるのに必死でしたよ。ベスト10、どれも吹いたけど。
だからやけにCMで「違法だよ!あげるくん」が出てたんか。提供テロップでも「つかまるよ、マジで」と出ていたし。水ダウはたまに見てる。



前の記事、深夜に書いたせいかなんかあやふやになってんな。修正入れましたが。
時空生き残りゲーム編、最終第3ウェーブは無の存在3体の救済も入るから複雑な展開になるかも。無の存在の救済はゲームルールにはないのですが。


chapter.5 時空生き残りゲーム:無の存在II

結果的に生き残りゲーム・第2ウェーブはクリアした。晴斗と御堂が制限時間ギリギリで怪人から逃げ切れたからだ。
晴斗は残り時間3分で無の存在を味方につけて怪人を撃破し、一気にポイント獲得。御堂も荒々しいやり方でボーナスアイテムのマシンガンを入手し、ポイント荒稼ぎ。



運営提供の昭和レトロな喫茶店のような休憩所。


鼎は運営スタッフのナツメとシバにあることを聞いた。

「無の存在について聞きたい。あいつらは一体なんなんだ?」
「…気になるのですか」

ナツメは鼎があまりにも深刻そうに聞くため、最初は戸惑いを見せたのだが。


「…何か心当たりでも?」
ナツメは慎重に聞く。
「第2ウェーブで私が味方にした無の存在、顔は見えないはずなのに…親近感があった。
あいつは何者なんだ?無の存在は全て同じ個体ではないんだろ?」


「違います。無の存在は我々と同じ人間です。時空の狭間に取り残された、記憶を無くした人間…と言った方がいいでしょうか」
「あの白づくめには意味あるのかよ」

御堂が悪態ついた。


ナツメはさらに説明。

「全てを無くしてしまったがゆえに『白』なのです。何者にも染まらない、染められない、時空を漂う不思議な存在と成り果ててしまった」
「じゃあ無の存在には名前があるのか」


「紀柳院さん、彼らは思い出せないのです。自らの名前を。このゲームは彼ら、無の存在を救済する意味合いもあります。
この異界ではなく、然るべきところへ還さなければなりませんが…記憶が無い以上、この世界を漂っています。今回のゲームでは3体いますが、プレイヤーに心当たりがあるのかと思いゲームマスターはあなた方を呼んだようなのです」


無の存在3体の救済!?
記憶が無い、無くした人間だと!?


鼎はそのうちの1体になぜか、ものすごい親近感があった。
無の存在は白い忍者装束風の和装に白い仮面姿という、異質な出で立ちだ。完全に顔が隠れているため、わからない。


鼎は晴斗にこんなことを聞いていた。

「晴斗、私は一人っ子だったっけ」
「鼎さん!?何言ってんだよ。いや…その話の場合だと、悠真姉ちゃんと呼んだほうがいいのかな…」


晴斗、めちゃくちゃ戸惑う。晴斗はものすごく久しぶりに鼎の本名・悠真と呼んだ。


「鼎さん…いや、この話の場合は悠真姉ちゃん呼びにするけど、悠真姉ちゃんには弟がいたんじゃなかったの?
でも俺、1度も会ったことないし…。鼎さん、記憶飛んでるんじゃ…」
「思い出せないんだよ。いくらやってもどうあがいても。
本当にそいつが弟かも定かじゃないし、都筑家に弟がいた記憶がないんだ」


なんかわけわからなくなってきた…。鼎さんはあの事件がきっかけで記憶に封印したのかもしれない。
鼎さんが親近感持った無の存在が鼎さんに関係してるのならば、なんとなく納得いくが。


「鼎、第3ウェーブでその無の存在をなにがなんでも味方にしろ。
お前はそいつから聞き出せ」
御堂がめんどくさそうに言う。鼎はかなり迷いを見せる。


「無の存在は話せないんだ。簡単な言葉はわかるみたいだが、言葉は発することが出来ないようだ。
無の存在は意思がないように感じる…。ずっと時空の狭間を漂っているせいか、意思すらも無くしてしまったのかもしれない」
「マジかよ…。鼎の、いや…都筑家の関係者説が濃厚なら、そいつを拉致るのにな」

「せめて意志疎通が出来ればいいのだが…なんとかならないのか?ナツメとシバ」
「無の存在に関しては私達もノーマークでした。プレイヤーの関係者ならゲームマスターは承諾するでしょうから…」


御堂は全員にこんなことを言った。
「第3ウェーブ、鼎は無の存在を味方につけることだけを考えろ。第3ウェーブはフィールドが広いから、なんとかなるはずだ。
筆談でも何でもいいから意志疎通を試みてみろ。…もし、鼎の関係者…プレイヤーの関係者ならそいつを拉致る。そんで元の世界へ戻る!」
「たいちょー、それは強引だよ〜。きりゅさんでもさすがに無理あるはずっすよ」

「…やってみないとわからないだろうが。第3ウェーブは制限時間が長い。それを利用するしかない」
「厄介なのは第3ウェーブに登場する、ラスボス様らしいけどな〜」

御堂は相変わらずだるそう。


「ラスボスは私と桐谷さんに任せてよ。鞭使いの怪人相手にポイント荒稼ぎしたそこの2人は紀柳院さんをカバーしてあげるのよ。
時任さんや渋谷さんでもいいか」
「あたし達をおまけ扱いしないでよ〜。朝倉さん〜」

「はいはい、わかったわよ」


なんだこの流れ。



第3ウェーブ、鼎は無の存在3体を無謀にも味方につける作戦を取るが、ゲームを有利に進める目的じゃない。
無の存在3体の正体が知りたかった。記憶を無くした人間ならば、何かしら手がかりがあるはずだから。



異界某所・ゲームマスターの館。


「感づかれたか…。あのフィールドにいる無の存在の正体、紀柳院司令補佐は勘が良すぎですよ。
まさか番狂わせがいたとはね…。さすがだな、司令補佐は」


ゲームマスターの名はタデシナ。

「無の存在はこの異界には必要な存在なのにな。抑止力にもなっている。
意のままに操れる存在は無の存在くらいだからね〜。彼らは『空っぽ』なんだからさ。記憶もない」


無の存在の記憶が戻ったら、異界からしたら少し面倒になるんだが。



「第3ウェーブって、フィールド広がるんすね〜」
いちかはスマホでゲームマップを見ている。ナツメは答えた。

「最終戦なのでゲームフィールドは拡大していますよ。それと無限牢も強化されてます。難易度はかなり上がっているかと…」
「フィールドにいる無の存在は3体には代わりないんだな?」

「3体に代わりありません。見て下さい、これが現在の無の存在3体です」
ナツメはフィールド内の映像を見せた。無の存在はそれぞれあてもなくふらふらしている。


鼎はその中の1体がやはり気になったらしい。パッと見同じように見える無の存在だが、よく見ると背格好や歩き方が異なる。
仮面姿ということもあり、なにがしたいのかさっぱりわからない。

無の存在のうち1体は仮面慣れしてないらしく、かなりふらふらしているように見えた。


「ナツメ、この仮面慣れしてない個体は比較的新しいのか?ゲーム前だとやたらと物や壁にぶつかりまくっているが…」
「…たぶん。その個体は不慣れなのかもしれません。他の2体はそうでもないのですが」

「無の存在、ちょっと可哀想…」
いちかは心配していた。異界ではずっとあの姿だと聞いたからだ。


「ゲームをクリアすればあの無の存在も解放されるんだろ!?」
御堂は運営2人に聞いた。

「クリアしないとどちらにせよ、解放されません」
「わかった。鼎はやっぱり無の存在を味方につけておけ。気になった1体だけでいいからな」



しかし、クリアしたら無の存在まで解放されるとか初耳だぞ!?
つまり、無の存在3体はゲームをクリアすれば記憶が戻るってことらしい?

鼎が親近感持った個体が都筑家に関係してるかは、蓋を開けてみないとわからないが。



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